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Channel: 私の沖縄日記―広島編
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怖い軍隊(自衛隊)への親近感

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PhotoPhoto_2石川文洋さん(報道カメラマン)は講演(5日、福山市内)で、ベトナム戦争を4年間取材した体験から、こう断言しました。
 「戦場では米兵は民間人でも見れば撃つ。日本の自衛隊もそう訓練している」

 さらに集団的自衛権行使容認の危険性に触れた石川さんは重ねてこう指摘しました。
 「戦争になれば自衛隊は相手を殺す。そのための訓練をしている。…フツウの人が軍隊に入れば変わるのです」

 自衛隊は軍隊であり、戦争になれば(巻き込まれれば)、自衛隊は軍隊として相手の兵士を殺す。それが戦争であり、軍隊というもの―この当たり前のことを、石川さんの話は改めて強く思い起こさせてくれました。
 そしてこの自明なことが、いま、日本では忘れられようとしています。いいえ、忘れさせようとする国家権力の政策が浸透してきています。

 御嶽山で警察、消防とともに救助活動を続けている自衛隊員の苦労は並大抵ではありません。ほんとうに頭が下がります。
 しかし、あれは本来の自衛隊の姿ではありません。先日、現地の自衛隊責任者がいみじくも言いました。「持てる戦力を最大限に投入する」(写真右)。
 彼らにとっては、災害救助の人力・機材も「戦力」なのです。まさに自衛隊は軍隊であり、軍隊の本分は「戦う」ことなのです。

 この自衛隊の本質が後景に追いやられ、災害救助活動のたびに、「人を助ける自衛隊」のイメージが作られています。連日テレビにはいかに自衛隊が奮闘しているかが、「自衛隊撮影」の写真によって流されています(写真左)。

 こうして自衛隊の誤ったイメージが流布されることは大変危険であり、絶対に軽視することはできません。
 それは「人を殺す軍隊」への違和感がなくなること、いいえそれどころか親近感さえ醸成されることになるからです。
 こうした動向が、集団的自衛権行使容認による憲法9条空洞化と密接不可分であることはいうまでもありません。
 災害救助の使命に燃えて自衛隊に入隊する若者たちが、戦場で人を殺し、殺されることになるのです。

 災害救助については、この「日記」でもたびたび言ってきましたが、自衛隊に代わる専門の「災害救助隊」を創設すべきです。
 いま軍事費(防衛予算)に投じられている「5兆円」の5分の1でも「災害救助隊」に予算を付ければ、自衛隊員の雇用確保はもちろん、災害対策の機材導入・研究開発に多くの予算を使うことができます。
 残った4兆円は、医療や年金、教育に回せます。

 石川さんの講演での至言をもうひとつ。
 「軍隊は民間人を守らない。それは沖縄戦で明白です」

 <気になるニュース>
                   「海軍グルメフェスタ」の“盛況”

Photo_3広島県呉、神奈川県横須賀、長崎県佐世保、京都府舞鶴の軍港4市から、「海軍カレー」など海軍ゆかりの料理を集めた「海軍グルメフェスタIN呉」が12日開催され、3万2千人(主催者発表)が集まりまりた。(写真)

 参加者の1人は、「呉と舞鶴の肉じゃがは味の濃さに違いがあって興味深かった」と話しています(中国新聞)。

 その前日に日米防衛協力指針(ガイドライン)の見直し案が明らかにされ、集団的自衛権行使によって、呉から、横須賀から、佐世保から、舞鶴から、自衛艦が地球のどこまでも出撃することになることを、どれだけの人が知って、カレーや肉じゃがを食べたのでしょうか。


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